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​信仰と慣習

東ティモールの国民の約99%はキリスト教を信仰していますが、それと同時に土着のアニミズム(精霊信仰)的な信仰が根強く残っています。

自然や大地には神が存在し、私たちは大いなる自然から生まれ、生かされ、そして帰っていくという考え方です。

国教であるキリスト教はこの土着の信仰に沿う形で人々に受容され、人々は二つの信仰を同時に保っています。

 

土着の信仰の儀式にキリスト教の十字架が掲げられることもあるなど、互いに一部融合している様子が伺え、現地の人々に聞いてもその境はあまり分からないそうです。

また、こうした信仰は人々の間での慣習法であるTara Banduと深く結びついています。

 

Tara banduは基本的に自然との関わり方を示したもので有限な資源をどのように扱うかを定め、儀式を行ったり反すると罰せられたりというものが主でしたが、地域によっては人との関わり方などについて定めた規範となっているところも存在します。

実際に現地で何か悪いことをすると雷が落ちて死ぬんだという話を聞くなど、先祖から受け継がれた教えに反すると罰が当たるという考え方が人々に深く染みついていた一方で、人を憎まないことや先祖を敬うということが当たり前のことと捉えられていました。

 

そうした自然に根差した考え方はどこか昔の日本の村落社会に根付いていたものと似通っていて、懐かしく感じられます。

東ティモールに根付いてきたこの考え方が、あたたかく穏やかな東ティモールを形作っているのかもしれません。

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